○さん

○さん、いつも遅刻してきます。なぜ遅刻してくるのか聞いてみると、朝も早起きして、ご飯も急いで食べて、すぐに家を出ているのだそうです。けれど遅刻しています。登校中のことを聞いてみると、なぜか遠回りをしていたり、一度戻ったりしているのです。なぜなのか聞いてみると、きれいな花があると持ち帰ったり、おばあさんを助けてあげたり、コンビニでアイスを食べて休憩したり、かつらのおじさんの後ろを追いかけまわったりしているということを白状しました。そこで僕は、まずは学校にきなよといいました。○さんは、うん、そうする、とうなづいた瞬間、背筋をピンと伸ばし、まっすぐになったかと思うと、次の瞬間倒れてしまいました。僕は急いで保健室に運び、保健室の先生(20代、パーマ、美人)に事情を説明すると、先生は、○さんはね、ロボットなの、○さんは学校へ行くという事を優先すべきということはよかったんだけど、じゃあどれくらい優先すればいいのか、どれを省けばいいのか、ということを考えているうちに処理能力の限界を超えてしまったの。といいました。僕はびっくりしました。○さんがロボットだったなんて・・・僕は信じられなくて保健室を飛び出しました。
お昼休み、僕は保健室へいってみました。○さんが帰ってこないし、保健室の先生の顔を見て目の保養もしたかったのはもちろんだけど、ロボットについて聞きたかったから。保健室に入ると○さんは早退していておらず、先生だけでした。僕は、先生、○さんは本当のロボットなんですか?と聞くと、先生は、うーん。人間かな?と。え?さっきロボットって、と聞き返すと、いや今のロボットはあんなくだらないことでパンクしたりしないもの、まだフレーム問題の初歩を解決できていないのね。人間ならこの程度のことでも意外と悩むものね。人工知能の中の生成グラフが一定レベルまで完成していないのよ。そんな!ありえないと思い、僕は、じゃあロボットじゃないですか?他の皆もロボットなんですか?先生のきれいな顔にわざと顔を近づけて言うと、え?何言ってるの?asanemu君♪何をもってロボットといっているの?体がすべて機械でできているとロボット?はい。そうです。と答えるも僕の目は先生の唇。けれどロボットも気になるので、○さんは人工知能なんですよね?ロボットなんですよね?というと、じゃあ聞くけどあなたはなんなの?あなたの体は何でできているの?と先生のお言葉。唇の動きがいいなー。いやいや、気を取り直してこたえないと。え?僕?僕はもちろん・・・。。あ・・・が。。。。。あらー考えすぎちゃったわね。あなたもまだグラフの形成が不十分ね♪。また報告書が増えちゃったわねー。