根室国

その1は
http://d.hatena.ne.jp/asanemu/20040911

その2


高橋家は代々、馬主だった。高橋氏の祖父の祖父にあたる人物はなんとG1、3連覇のあのシハカタケスンシの馬主だった。彼は儲けたお金で学校を作っていた。それは日本ではなく東南アジアにである。5校あった。マレーシアに2校、インドネシアに2校、カンボジアに1校という内訳だ。いずれも現地法人に完全委託されており、理事長なども現地の国民である。現在、日本人はおろか、高橋家の人も誰一人として関与していなかったので全くわからなかった。日本の週刊誌「週刊東南経済」にシハカタケスンシ第一高校というインドネシアの学校の記事を偶然読み、妙な名前だと思いgooglezonで調べたらそういうことになっていた。
根室国立の大学を作ろう!
安直だが根室国に必要な機関である。教育機関は高校まではあるが大学はない。根室の高校生はみな海外留学という形で日本の大学に進学していた。
お金があるとはいえ小さな国である。教育となると成果を出すのに長い時間もかかるので自分が名を残したいというきっかけで設立するなんて北海道に高速道路を作った国会議員と一緒である。
1年後、なるべくして大統領になった高橋氏は偶然にも都合の良いバトンをもらった。北方の海洋調査を行いたい海洋生物学の教授らから研究所を根室におきたいという打診を受けたのだ。
海洋大学院大学が設立された。
学生には不人気で授業はほぼ休講だったが研究だけでサラリーをもらえる教授には好評でそれだけ成果もでたので学会での評判は良かった。
5年後に農学部、工学部もさらにそれぞれの学部も設立され、学校名も根室大学に改名、高橋氏は運も味方につけ歴史に名を残した。
根室国ができた当初は偏っていた産業も平衡化し始めた。が、未だにないサービス産業があった。
風俗である。
日本には昔から無店舗型のサービスがはやっていたが、根室市のときから条例で風俗店は1店舗もなかったので根室国になっても風俗店は存在しなかった。高橋大統領の次の大統領になった岡田は困っている人がいるとほうっておけないたちである。風俗店がないせいで根室国の人々は困っているのではないか、こう考えた岡田は官房長官に相談した。
根室にも風俗店が必要じゃあないかね」
「突然、何を言い出すんですか!この前言った小料理屋の地下1階は実質・・・」
「あぁそういうのが風俗店というのか、じゃああの店は問題だな」
「利用している私たちも問題ですよ。しかし根室にはもともと無かったので勝手に作られたとしても取り締まる法律が無いのです」
「そりゃ、いかんな。よし、ススキノの風俗店を根室に進出させる前に法律を考えよう」
というわけで根室国憲法の関係した多数の法律家が集まった。

日本で言う風営法を作ることになったが、今日の日本で主流であるデリバリー何とかまで対応したものにするか、しないかで白熱した議論が展開された。
ここで、岡田の鶴の一声で、対応するものになったが、一部には空気が読めてない、などと批判された。
外国人が風俗を行うときの事をすっかり記載し忘れており、気づいたときには、世界最大の風俗街となり、性病が蔓延し酷評されるのは30年後のお話である。

続く。